TOEFL準備で過去問を解くよりも大切なこととは?
こんにちは。
TOEFL専門、留学のためのしけんや英語塾のブログになります。
TOEFLの準備にあたっては、まず最初に本番を受験するのがよいのですが、ここで対策が大きくいくつかにわかれます。
ひとつは、この最初の1回で、ドーンとスコアが出た人。ドーンというのは、110以上です。
(ほとんどいませんかね)
これは、もうこれでおしまい。
完全に110以上の能力がありますので、もはやTOEFLの針は振り切れています。あとは誤差だけです。そんな誤差のために時間を費やして努力するような人は、TOEFLで110を超えている人にはあまりいないと思います。そういう時間管理もできる人だと思います。(もちろん、114が要求されている!とか言う場合には、もう一度そのつもりで受験するとクリアできる可能性が高いです。)
この人たちは、おそらく、「あ、TOEFLですか。はい、まあ、軽かったですね。」ってことになります。
もうひとつは、いきなり100~105くらいがドーンと出た人。
この人たちは、意外と、110をとりたい!という人も多いと思います。では何をするか。もちろん、過去問をどんどん解いて問題に慣れる、ということです。TOEFLは多少特殊なテストですから、問題慣れをすることで、けっこういけることもあるんですね。しかも、いきなり104とか取れている人は、能力的には、110は目のまえです。それこそ、1日に1セット5日ぶっ通しでやったら(そんな時間ないか。1週で1セットならできますね)、もういい加減慣れると思います。それで再受験するとよいでしょう。おそらくクリアできると思います。
最後は、最初に受けたスコアが100に届かなかった人(で、目標スコアが100以上の人)。
これは、TOEFL慣れ、ということ以前に、英語の能力がまだ不足している、ということを示しています。
知識・・・単語など、Thomas Jeffersonって誰?など。
技術・・・文からフレーズへの書き換え、パラグラフとパラグラフのつながりの可能性、ポイントをとらえて要約する、など
勉強の方向性・・・とにかく慣れだと思って毎日テレビを見てます!など
TOEFLに対する姿勢・・・友達がいきなり受けて109出たんで、まあ、行けるかなと思ってます!など。
これらを補強していくのが、このカテゴリの(おそらくはほとんどの)受験生の準備になります。
おそらくは、上の全てカバーするためにやるとよいのが、
★Scientific Americanなどの記事を辞書を引きながらちまちま読んで、自分の好きな英文を集める
★Scientific Americanの60-second scienceなどのpodcastを聞いて、スクリプトと合わせていく。その中で単語もチェックしていく。
★その中で理解ができない部分の知識を埋めるための本を選択して勉強する
(大学入試の英語参考書かもしれないし、英文読解の参考書かもしれません。)
★NHKの実践ビジネス英語を聞く
★TOEIC900の勉強をする
というようなことです。これらは、
★辞書
★文法書
★世界地図
★理科年表
などを横において勉強するとよいでしょう。
また、こうした「独学」がどうしても続かない人は、予備校や塾に行くことで、対策をすることになります。
ただ、上のカテゴリの受験生がやってはならないことがあります。
それは
過去問を解き続けること
です。
一度受験して、もう結果が出ました。
それによれば、知識・技術・方向性・姿勢などが欠如または不足している、ということでした。
だから、過去問(これには解説がついていません)を「今までどおり」やり続けても、あまり変化は起こりません(実際にほとんど起こりません)。知識が足りないことがわかっていて、「実践」を繰り返していくだけでは、「レベルの低い問題慣れ」しかできないです。
子供が、プールに行って、全然泳げない。
けれど、とにかく夏休みの間、毎日プールに行ったら、秋にはバタフライができるでしょうか。
せいぜい、水に慣れる程度でしょう。
そこはしっかりコーチについたほうが上達のスピードは速いと思います。
しかもTOEFL受験生の場合は、この例で言うと、秋にはバタフライができなければならないくらいの伸びが必要なんですね。
できないこと・わからないことをひとつひとつ潰していけるように、その意識で勉強ができるのであれば、過去問を解くのもよいと思います。けれど、80点台以下ではちょっとそういうことは望めないような気がしています。
しかも、仮に全ての過去問を解いてしまったら、直前にやるべき「問題演習」ができなくなります。
そして本人は「問題に慣れたぞ!」と思うかもしれませんが、知識や技術が不足している状態での「問題慣れ」は、知識・技術を補った後の「問題慣れ」とはくらべものにならないほどレベルの低い「慣れ」です。スピーキングには4問ある、とかその程度なんです。1回本番を受験したらわかる程度の「慣れ」しか得られません。夏休み全体を通して、やっと水に慣れた、程度のgainなんですね。
こうして、過去問を解くだけ、という方法は成功の確率が大変低いです。
ただ、全員ダメ、ということにはなりません。人によっては、大量の本物の問題を解くことによって、能力を高めていく、というのが向いていることもあります。これまでの人生を振り返って、自分はどんな勉強をしてきたか、を思い起こしてもよいでしょう。
どういう方法をとるにしても、知識・技術が不足していることは否定できない事実です。これを補充していくことが、TOEFLの対策になります。対策の成功のためには、過去問はできるだけ後の方にとっておくのが賢明です。
最後にとても大切なこと。
TOEFLのスコアは、「TOEFLの対策をしたから」スコアが出るのではありません(だって、対策は最低限でよいテストだから)。TOEFLのスコアが出るのは、「TOEFLの対策ではない、普段のルーティンの勉強のおかげ」なんです。この習慣化した勉強のクオリティを上げ、TOEFLに対応できる程度にレベルを上げていくこと、これがTOEFLの準備には欠かせません。ぜひこの点を踏まえて、これからのTOEFL対策を始めてくださいね。
そういうお話しを動画でしました。