(TOEFL初心者向け)英文法の意義と学び方
こんにちは。
TOEFL専門、留学のためのしけんや英語塾のブログになります。
TOEFL初級コースで勉強をする方々だと、英語は、英文法を駆使して組み立てていくという理解をされていることが多いようです。もしかして、そういうわけで英文法の勉強をしているのかな、と推測してしまうこともありますね。
英語初心者向けに、英文法の役割について書きたいと思います。基本は、
英文法というのは、
①英語ができるのなら、知らなくてもよい
②話す・書くは基本、自分が記憶しているものを吐き出す
③英文法は自分の発した英語のチェックとして使う(文法で組み立てていくのではない)
④これから学ぶのなら、読む・聞くことを通して学ぶ
⑤文法に注意しながら読む・聞くをした人は、それだけアウトプットのクオリティが上がる
ということになります。
以下、解説します。
①英語ができるのなら、知らなくてもよい
これはお分かりだと思います。わたしたちがどれだけ日本語の文法を知らないか、というだけで、十分でしょう。車を運転するためだけに、内燃エンジンの構造を知る必要もありません。
②話す・書くは基本、自分が記憶しているものを吐き出す
英語を発するときや、理解するときに、そもそも、英文法の知識を使って、組み立てているのか、ということですね、問題は。
そんなの1語1語の単位でやるはずがないですね。2つほど例を示しましょう。
1)I am from Tokyo.
初級の方だって、I am from Tokyo.とか言うときに、
おっと自分を表す主語だから、自分は一人だから、1人称単数形、それはまさにI。これを出して、
I に呼応するbe 動詞は、と。まてよ、これは自分が東京出身である事実を述べているから、現在形でよいので、was ではなくてamだ、だから、 I am
それで、・・・
とかやってたら、日が暮れます。。。
わたしは東京出身です、と言う英語は、I am from Tokyo.だと知ってるわけですよ。だからI am from Tokyo.と言えるし、That new employee in your department. Where is he from? ともいえるんですね。
英語はいくら英文法を知っていても、自分でcreateできません。
I am from Tokyo.
って、英文法の知識だけで作るって、相当困難じゃないでしょうか?I amでいいのかさえ、悩みますね。
で、I am from Tokyo.という英文を知ったときに、これを記憶して、万一、忘れたときのために、fromを少し意識しておく、ということなんですね。このときに英文法が登場します。fromってどういう用法があるの?と。
2)What time do you get up?
これって、英文法を意識的に組み立てているのなら、絶対に言えないはずですよね。
At what time do you get up?
ってならないとおかしくないですか(もちろん、それで正しいのだけど)。
でもわたしたちは(初級の人も)What time do you get up?と言って、平然と、
I get up [at] 6:00. とか言うわけです。
たぶん、英文法が意識されていないからこそ、これがありだと思うんですね。
③英文法は自分の発した英語のチェックとして使う(文法で組み立てていくのではない)
アウトプットに関して言うと、英文法は、例文を記憶しやすくする便法で、例文を忘れたときや応用したいとき、スピードを出してリカバリーしたり、チェックしたりするときに必要なルールになります。だから、単純な英語を言っている間は英文法は不要です。
すいすいアウトプットをするには、英文法を覚えるのではなくて、英文法を理解しながら(時間だからatだ、とか)、結果として、フレーズを記憶するほど音読しておく、ということです。多くの人はそれを「英文法を自動化する」とか「文法を肉体化する」とかおっしゃると思いますが、それほど高尚でなくてもよくて、単純に英語フレーズを音読する、ということでよいと思います。
文法を知っているから英語が出てくるのではなくて、すでに英語があるからすいすい出てくる、という感じなんですね。
④これから学ぶのなら、読む・聞くことを通して学ぶ
逆に、読むとき、聞くときには、それこそ、あまり英文法を知らなくても、大まかな理解はできます。ただ、このとき、少しでも正確に読む、聞く、という意識があると、文法として、自分の知っている知識を英文上で確認しながら読めたりします。
ここはこういうわけで過去形になっている。
ここはこういうわけで動名詞になっている。
ここはこういうわけで倒置になっている。
などなど。。。
それこそ、
To what degree is she interested in finance? (Merriam-Websterより)
とか出てくるわけで、こういうふうに前置詞が前に来ることがあるのか、などを学ぶわけですね。
こうして、読む・聞く、というのは、英文法が実際にどのように使われているか、の確認作業にもなります。いわゆるインプットというやつです。
⑤文法に注意しながら読む・聞くをした人は、それだけアウトプットのクオリティが上がる
もちろん、それが活きるのは、Speaking / Writingになります。話すとき、書くときに、全てを記憶している英文で作るわけにはいかないことがあります。そういうときに、これらの英文法の知識を使って、ちょこっと小細工しなければならなくなる。あるいは、自分の書いた英文を、英文法の知識を使ってチェックしなければならない。
だから、正確に読めたり聞けたりする人というのは、それだけ話したり書いたりするときにも表現のバラエティがあったり、そもそも正確である、ということになるわけです。ただし、速読ばかりやっている人には、こうした効用は減少します。英文法に忠実に、意識的に取り組めていないので、アウトプットに活かされにくい、と考えられます。(もちろん、そういう段階が終わっての、速読はいいですよー。)
そういうところで英文法は活躍します。
まとめると、
英文法というのは、
①英語ができるのなら、知らなくてもよい
②話す・書くは基本、自分が記憶しているものを吐き出す
③英文法はそのチェックとして使う(文法で組み立てていくのではない)
④これから学ぶのなら、読む・聞くことを通して学ぶ
⑤文法に注意しながら読む・聞くをした人は、それだけアウトプットのクオリティが上がる
ということになります。
応用としては、こうした土台があると、
paraphrase / inference / summary の精度が上がっていくことになります。読んだもの、聞いたもの、を「正確に」理解して、それを「自分の知っている英語」に換えていくことが自在にできてくるからですね。
そんなお話しを動画でしました。
最初に出てきた
はこちらになります。